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失われた近代を求めて

橋本治著

(朝日選書, 985-986)

朝日新聞出版, 2019.6

Title Transcription

ウシナワレタ キンダイ オ モトメテ

Available at  / 116 libraries

Note

2010-2014年刊の再刊

Description and Table of Contents

Volume

上 ISBN 9784022630858

Description

近代文学の黎明期に誕生した「私」をめぐる二つの小説—田山花袋『蒲団』と二葉亭四迷『平凡』が、文学の未来に残した可能性と困難。なぜ彼らは新しい文体を必要としたのか?新しい言葉を獲得していく書き手たちの苦闘を、小説家の思考と身体性から鮮やかに描き出す第一部「言文一致体の誕生」。つづく第二部では、明治の近代になって多くの作家が「新しい文学」を目指したが、果たしてそれは「自然主義」と呼ばれてしかるべきものだったのか、森鴎外と田山花袋の諸作から、その問いのかたちを描く。橋本治がはじめて日本における近代文学の作品群と向き合いながら、その捉え直しを試みる本格評論。

Table of Contents

  • 第1部 言文一致体の誕生(そこへ行くために;新しい日本語文体の模索—二葉亭四迷と大僧正慈円;言文一致とはなんだったのか;不器用な男達;『平凡』という小説;“、、、、”で終わる先)
  • 第2部 「自然主義」と呼ばれたもの達(「自然主義」とはなんなのか?;理屈はともかくとして、作家達は苦闘しなければならない;「秘密」を抱える男達)
Volume

下 ISBN 9784022630865

Description

「自然主義」と呼ばれた作品群は、「言えない」を主題とする小説として生まれ、いつしか赤裸々な「自分のこと」を告白する私小説へと変貌する。いま最も読まれなくなった文豪の代表作—島崎藤村『破戒』が達成したものと、国木田独歩『武蔵野』によって開かれた地平とは何か?「自然主義」との関わりから近代文学の核心に迫る第二部「「自然主義」と呼ばれたもの達」。そして、明治の始まる前年に生まれた夏目漱石、尾崎紅葉、幸田露伴、正岡子規、一つ年下の北村透谷らの作品を読み解く第三部では、明治を生きた第一世代の群像を「近代」と「前近代」の相克として活写する。西洋由来の「近代」を受け入れた日本人が何を求めたのか、その一方で「近代」によって失われたものとは何か、その謎と実相に迫る「明治二十年代の作家達」。橋本治による「近代」「文学」論の完結編。

Table of Contents

  • 第2部 「自然主義」と呼ばれたもの達(承前)(「秘密」を抱える男達;国木田独歩と「自然主義」;とめどなく「我が身」を語る島崎藤村)
  • 第3部 明治二十年代の作家達(青年と少年の断絶;北村透谷と浪漫主義;北村透谷のジレンマ;紅露時代)
  • 近代が来てどんないいことがあると思っていたのだろうか?

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