黒い雨に撃たれて : 二つの祖国を生きた日系人家族の物語

書誌事項

黒い雨に撃たれて : 二つの祖国を生きた日系人家族の物語

パメラ・ロトナー・サカモト著 ; 池田年穂, 西川美樹訳

慶應義塾大学出版会, 2020.7

タイトル別名

Midnight in broad daylight

タイトル読み

クロイ アメ ニ ウタレテ : フタツ ノ ソコク オ イキタ ニッケイジン カゾク ノ モノガタリ

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内容説明・目次

巻冊次

上 ISBN 9784766426854

内容説明

ワシントン州シアトルで、広島県出身の父・克二と母・キヌのあいだに4男1女の次男として生まれたハリーは、父・克二の死後、母キヌと兄弟・姉とともに広島に移住するが、日本に馴染めず、1938年に帰米。ところが、1941年アジア太平洋戦争勃発に伴い、一年後にハリーの後を追って帰米した姉のメアリーとともに、アリゾナ州のヒラ・リバー強制収容所に収監される。一方、ハリーの兄ヴィクターと弟のピアス、フランクは母とともに広島に残った。太平洋戦争前に召集を受けたヴィクターだけでなく、やがて彼ら三人ともが帝国陸軍に召集される運命にあった。日米開戦によって二つの祖国のあいだで身を引き裂かれた日系人の生を描く壮大な歴史絵巻。

目次

  • 1 アメリカに生まれ、二つの文化で育つ(オーバーンの故郷にて;ヒロシマでの束の間の滞在;受難の始まり;大恐慌;象牙色の骨と鉛色の灰)
  • 2 二つの国を漂う(日の出る国;悲しい帰郷;広島にかかる靄;ロサンゼルスでのパニック;グレンデールから広島に流れる沈黙)
  • 3 銃後の戦い(カリフォルニアでの監禁生活;帝国の銃後の人々;アリゾナの砂嵐;ミネソタの穏やかな冬;メアリーの北極星;広島での配給生活とスパイ扱い)
巻冊次

下 ISBN 9784766426861

内容説明

1942年収容所にいたハリーは、アメリカ陸軍情報部語学兵試験に合格し、翌43年夏には、第33歩兵師団付の語学兵として、ニューギニア戦線やフィリピン戦線に赴き、日本兵と対峙。赴任当初は、陸軍内で差別を受けるが、戦況が進むにつれ、日本軍から鹵獲した機密書類の翻訳や日本人捕虜の尋問の成功などの実績により、陸軍内での信頼を勝ちえていく。やがて、九州上陸作戦への従軍を聞かされていたハリーに、広島への原爆投下の一報が入る。日系二世が直面した強制収容、人種差別やアイデンティティ・シフト、米国に従軍した日系人の戦争協力、原爆投下によって壊滅的被害を受けた広島—。戦争に人生を翻弄された日米双方の市井の人々の経験を、あざやかな筆致で描き出す叙事詩。

目次

  • 4 太平洋における戦い(初っ端から疑われる;タイプライターを持って前線へ;桜の季節も忘れて;ニューギニアに耐える;ピアスの執行猶予)
  • 5 運命の日への序曲(サルミでの驚くべき遭遇;ジャングルでの遅々とした変化;赤紙;フィリピンでの極限状態;戦う兄弟;原子爆弾)
  • 6 余波(ほろ苦い再会;心乱す一通の手紙;平和、そして贖罪)
  • エピローグ ホノルルでの静穏な日々

「BOOKデータベース」 より

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