探偵小説と「狂気」

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探偵小説と「狂気」

鈴木優作著

国書刊行会, 2021.2

Other Title

探偵小説と狂気

Title Transcription

タンテイ ショウセツ ト キョウキ

Available at  / 87 libraries

Note

江戸川乱歩、小栗虫太郎、夢野久作…。探偵小説はいかに<狂気>を描いたか。<狂気>概念を支える近代の制度や言説を視野に収め、それらを参照することで探偵小説を独自の視座から論じ、ジャンルの新たな側面を見いだす。

参考文献: p346-360

Contents of Works

  • 狂信という心理 : 小栗虫太郎「後光殺人事件」
  • 〈狂気〉を孕む身体 : 夢野久作「ドグラ・マグラ」
  • 精神病院法のもたらす探偵/犯人像の構築 : 大阪圭吉「三狂人」
  • 戦後社会への批判としての〈狂気〉 : 大下宇陀児・水谷準・島田一男「狂人館」
  • 精神鑑定という罠 : 平林初之輔「予審調書」
  • 自白の追求という〈狂気〉 : 小酒井不木「三つの痣」
  • 夢遊病と犯罪をめぐって : 浜尾四郎「夢の殺人」
  • 〈狂気〉の物語の発掘 : 岡本綺堂「影を踏まれた女」
  • 精神医学に復讐する狂女 : 夢野久作「笑ふ啞女」
  • 佯狂表象の物語 : 岡本綺堂「川越次郎兵衛」
  • ミスリードと〈狂人〉 : 江戸川乱歩「緑衣の鬼」
  • 探偵行為としての精神分析 : 木々高太郎「わが女学生時代の罪」

Description and Table of Contents

Description

近代は何を狂わせたか—“異”なるものの復権。探偵小説がいかに“狂気”を描いたかを読み解き、近代という時代に潜む文化と制度の裡面、そして文学によってなされた企みを明らかにする。

Table of Contents

  • 第1部 心身における“狂気”(狂信という心理—小栗虫太郎「後光殺人事件」;“狂気”を孕む身体—夢野久作「ドグラ・マグラ」)
  • 第2部 “狂気”を内包する場(精神病院法のもたらす探偵/犯人像の構築—大阪圭吉「三狂人」;戦後社会への批判としての“狂気”—大下宇陀児・水谷準・島田一男「狂人館」)
  • 第3部 法制度と“狂気”(精神鑑定という罠—平林初之輔「予審調書」;自白の追求という“狂気”—小酒井不木「三つの痣」;夢遊病と犯罪をめぐって—浜尾四郎「夢の殺人」)
  • 第4部 “狂気”表象の歴史性(“狂気”の物語の発掘—岡本綺堂「影を踏まれた女」;精神医学に復讐する狂女—夢野久作「笑ふ〓女」;佯狂表象の物語—岡本綺堂「川越次郎兵衛」)
  • 第5部 仕掛けとしての“狂気”(ミスリードと“狂人”—江戸川乱歩「緑衣の鬼」;探偵行為としての精神分析—木々高太郎「わが女学生時代の扉」)

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