探偵小説と「狂気」
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探偵小説と「狂気」
国書刊行会, 2021.2
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探偵小説と狂気
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タンテイ ショウセツ ト キョウキ
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江戸川乱歩、小栗虫太郎、夢野久作…。探偵小説はいかに<狂気>を描いたか。<狂気>概念を支える近代の制度や言説を視野に収め、それらを参照することで探偵小説を独自の視座から論じ、ジャンルの新たな側面を見いだす。
参考文献: p346-360
Contents of Works
- 狂信という心理 : 小栗虫太郎「後光殺人事件」
- 〈狂気〉を孕む身体 : 夢野久作「ドグラ・マグラ」
- 精神病院法のもたらす探偵/犯人像の構築 : 大阪圭吉「三狂人」
- 戦後社会への批判としての〈狂気〉 : 大下宇陀児・水谷準・島田一男「狂人館」
- 精神鑑定という罠 : 平林初之輔「予審調書」
- 自白の追求という〈狂気〉 : 小酒井不木「三つの痣」
- 夢遊病と犯罪をめぐって : 浜尾四郎「夢の殺人」
- 〈狂気〉の物語の発掘 : 岡本綺堂「影を踏まれた女」
- 精神医学に復讐する狂女 : 夢野久作「笑ふ啞女」
- 佯狂表象の物語 : 岡本綺堂「川越次郎兵衛」
- ミスリードと〈狂人〉 : 江戸川乱歩「緑衣の鬼」
- 探偵行為としての精神分析 : 木々高太郎「わが女学生時代の罪」
Description and Table of Contents
Description
近代は何を狂わせたか—“異”なるものの復権。探偵小説がいかに“狂気”を描いたかを読み解き、近代という時代に潜む文化と制度の裡面、そして文学によってなされた企みを明らかにする。
Table of Contents
- 第1部 心身における“狂気”(狂信という心理—小栗虫太郎「後光殺人事件」;“狂気”を孕む身体—夢野久作「ドグラ・マグラ」)
- 第2部 “狂気”を内包する場(精神病院法のもたらす探偵/犯人像の構築—大阪圭吉「三狂人」;戦後社会への批判としての“狂気”—大下宇陀児・水谷準・島田一男「狂人館」)
- 第3部 法制度と“狂気”(精神鑑定という罠—平林初之輔「予審調書」;自白の追求という“狂気”—小酒井不木「三つの痣」;夢遊病と犯罪をめぐって—浜尾四郎「夢の殺人」)
- 第4部 “狂気”表象の歴史性(“狂気”の物語の発掘—岡本綺堂「影を踏まれた女」;精神医学に復讐する狂女—夢野久作「笑ふ〓女」;佯狂表象の物語—岡本綺堂「川越次郎兵衛」)
- 第5部 仕掛けとしての“狂気”(ミスリードと“狂人”—江戸川乱歩「緑衣の鬼」;探偵行為としての精神分析—木々高太郎「わが女学生時代の扉」)
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