報復の書 レーギノ年代記続編
著者
書誌事項
報復の書 . レーギノ年代記続編
知泉書館, 2023.10
- タイトル別名
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Antapodosis
Continuatio Reginonis
- タイトル読み
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ホウフク ノ ショ . レーギノ ネンダイキ ゾクヘン
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注記
参考文献: 巻末p28-41
リウトプランド『報復の書』関連年表: 巻末p52-56
内容説明・目次
内容説明
ヴァイキング、ノルマン人、イスラーム教徒など異民族の侵入が相次いだ10世紀は、史料の数が極めて乏しく、「暗黒の世紀」と呼ばれる。しかし同時に、今日のヨーロッパ諸国と民族が形成された、歴史的に重要な「長い10世紀」でもある。叙述スタイルに豊かなバリエーションを持つ史料は、扱う地域も実に多様である。本書は、このオットー朝期(919‐1024)の四大叙述史料のうち二書を、明快かつ詳細な訳注が提供する。リウトプランドは、仕えたイタリア国王と激しく対立し、ドイツ国王オットー1世の宮廷に亡命した。その『報復の書』(958‐62成立)は、皇帝カール3世が失脚し、フランク帝国が5つに分裂した頃(887/88)から筆を起こし、ドイツ、イタリア、ビザンツの同時代史を様々なエピソードを交えて描き、最後は自身のコンスタンティノープル使節行(950)を詳述する。膨大なギリシア・ラテン古典の引用に彩られ、該博な知識に基づく修辞的表現や韻律詩を駆使した鋭い社会批判、諧謔、皮肉を表出し、独自の文学作品としても個性的な魅力を放つ。アーダルベルトは、同じくオットー1世に仕えた後、ロシアへの伝道司教を経てヴァイセンブルク修道院長となった。その『レーギノ年代記続編』(966‐68成立)は、907‐67年を対象に伝統的な編年体で書かれた。中世において最も広く普及し、読まれた史書の一つである。わが国で未だ馴染みの薄いこの時代の歴史研究の土台を築く、基盤的業績である。本書の生き生きとした著述は、歴史の実像を読者の眼前に立ち昇らせるに違いない。
目次
- クレモナのリウトプランド『報復の書』
- ヴァイセンブルクのアーダルベルト『レーギノ年代記続編』―九〇七〜九六七年
「BOOKデータベース」 より