夢枕獏著
双葉社
1985-
Futaba novels
1 , 2 , 3 , 4 , 5 , 6 , 7 , 8 , 9 , 10 , 11
... 嘘ばっかり…」と、「北辰館」の雄・姫川勉は、文七に鋭い視線を送った—戦いを求める者たちを描いて壮絶、人気絶頂の著者が叩きつける「修羅の道」。 男の肉の中に、ぎらりとした刃が抜き放たれた。「きみが、後をつけている間、女のように股まで濡らしてどきどきと胸がときめいていたよ。強姦願望を持っている女性の気持ちは、わたしには非常によくわかるよ」「けっ」—分厚い、シャツの下の胸が、大きく息を吸い込んで、さらに厚くなる。なにか、強く、めらめらしたものが、ふたりの間の夜気の中に満ち、温度を増していった。その温度が頂点に達した時、ふたりの肉体が、ついに動いた。「ちいっ」「くふっ」、ぶつかった。勝負は、7秒でついた ...
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