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古代伝承と王朝文学

原田敦子著

(研究叢書, 226)

和泉書院, 1998.7

タイトル読み

コダイ デンショウ ト オウチョウ ブンガク

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内容説明・目次

内容説明

本書は、一般に「繊細」「優美」「華麗」などと評される王朝文学の基層に、上代的なるもの、土俗的なるものの流れが存して、時として表面にあらわれ、時として伏流水となって、文学の発想・主題・表現に多大の恵みを与えたことを明らかにするものである。従来、王朝文学と上代文学の関係は、主として王朝文学の側から、素材・引用・話型の問題として論じられることが多かった。本書では、古代の伝承をとり上げて、その具体相を上代に立返って解明することよりはじめて、成立、伝播、変貌の過程を追い、それらの伝承が王朝の作家達の心象にどのように投影し、平安の時代相や文学とかかわりあいながら、いかなる変容をとげて、王朝文学作品の中に受容、形象化されるに至ったかを、単に言説の世界の中にとどまらず、できる限り歴史的現実の時間・空間の中において浮び上らせた。

目次

  • 第1章 日本霊異記の世俗説話(女人昇天—上巻第十三縁考;枯骨報恩譚の伝播と形成—上巻第十二縁・下巻第二十七縁考;大力女の原像と変貌—中巻第四縁・第二十七縁考;石を産んだ話—下巻第三十一縁考)
  • 第2章 神婚譚の傾斜(阿治志貴高日子根神の神婚説話;水辺の求婚—赤猪子伝承と井手の下帯説話;鬼に食われた女—日本霊異記から伊勢物語へ;橋を守る女神—宇治橋姫伝承考)
  • 第3章 入水伝承の水脈(水鳥の死—大和物語一四七段「生田川物語」の形成;猿沢の池もつらしな—『大和物語』采女入水譚の史的背景;紫式部集「かひ沼の池の歌語り」私論;浮舟入水と橘の小島)
  • 第4章 他界へのまなざし(死者に逢える島—みみらく伝承の成立と展開;さくな谷考—古代日本人の他界観;水辺の鎮魂—蜻蛉日記の唐崎祓;死と再生の谷—王朝女流の石山詣)

「BOOKデータベース」 より

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