魔王
著者
書誌事項
魔王
(Lettres)
みすず書房, 2001.7
- 上
- 下
- タイトル別名
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Le roi des aulnes
- タイトル読み
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マオウ
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注記
二見書房 1972年刊の改訳
内容説明・目次
- 巻冊次
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上 ISBN 9784622048084
内容説明
「1938年1月3日。あんたは人食い鬼よ、ラシェルはときどきおれにこう言ったものだ。人食い鬼だと?つまり太古の闇から立ち現れる妖怪だと言うのか?なるほど、おれは自分の魔性を信じる。言ってみれば、深いところでおれの個人的運命を事物の流れにまき込み、そいつがおれの運命を自分の方向に傾斜させるのを可能にする、あのひそやかな黙約のようなものをおれは信じているのだ。」近視の大男、パリでガレージを営むアベル・ティフォージュは左手の=不吉な手記をこう始めた。子供たちの姿や声を収集する孤独なティフォージュは、ある日少女暴行の嫌疑をかけられ拘留される。彼が釈放されたのは、奇妙な戦争の開始のおかげであった。そして次々に符合する運命のしるしが主人公を思いもよらぬ世界に運んでいく…。
- 巻冊次
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下 ISBN 9784622048091
内容説明
ドイツ軍の捕虜となったアベル・ティフォージュ。森と動物になじんだ彼にとって、ロミンテン禁猟区への移動は、さらなる運命の導きとなった。プロイセンの森の奥深く、そこで見たのは帝国狩猟頭ヘルマン・ゲーリングの宮殿。鹿を狩り、ライオンと共に肉を食らうその姿に、人食い鬼たる自らの本質を感じつつ、さらなる太古の世界に向けてティフォージュは旅する…。ついに到達したカルテンボルン城は少年戦士を養成するナポラで、ナチズムの核心を体現する場所であった。ソ連軍の猛攻に崩壊寸前のドイツ第三帝国、その中で死んでいく少年たち、ティフォージュはとうとうしるしの意味を知らされる。20世紀文学において『ブリキの太鼓』とならび不動の位置を占める幻想的戦争文学の傑作。
「BOOKデータベース」 より