憎悪の世紀 : なぜ20世紀は世界的殺戮の場となったのか

書誌事項

憎悪の世紀 : なぜ20世紀は世界的殺戮の場となったのか

ニーアル・ファーガソン著 ; 仙名紀訳

早川書房, 2007.12

タイトル別名

The war of the world : history's age of hatred

憎悪の世紀 : なぜ20世紀は世界的殺戮の場となったのか

タイトル読み

ゾウオ ノ セイキ : ナゼ 20セイキ ワ セカイテキ サツリク ノ バ ト ナッタノカ

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注記

原著 (Penguin Books , 2006) の翻訳

参考文献: 下p470-510

内容説明・目次

巻冊次

上 ISBN 9784152088833

内容説明

大規模な塹壕戦が繰り広げられた第一次世界大戦、ヨーロッパで相次いだユダヤ人虐殺、スターリンの大粛清、南京大虐殺、無差別爆撃や原爆に象徴される第二次世界大戦、中国の文化大革命、世界各地で絶え間なく発生する内戦…20世紀は史上空前の規模で殺戮が行なわれた血塗られた世紀であった。戦争や内紛の直接の犠牲者だけでなく、それに付随する飢餓や環境悪化のために命を落とした者を含めると、延べ死者数はとんでもない数になる。一方、民主主義や福祉の概念が浸透し、医療や科学技術が飛躍的に発達するなど、20世紀が「進歩の時代」だったことも疑いない。だとすればなおさら、この100年に世界が殺戮の場と化した要因を突きとめておく必要がある。ハーヴァードの気鋭の歴史学者が、世界中が同時多発的に大量殺戮に向かった状況をつぶさに検証し、地政学的なダイナミズムが人々の情動と結びつく瞬間を鋭く見定める。既存の歴史観を問い直す挑戦的な書。

目次

  • 第1部 列車の大事故(帝国と人種;オリエント急行;断層線;戦禍の広がり;諸国家の墓場)
  • 第2部 帝国(計画経済へ;奇妙な人びと;遅れてきた帝国)
巻冊次

下 ISBN 9784152088840

内容説明

双方に多大な犠牲者を出した第二次世界大戦は、ファシズムの枢軸を打倒した連合国側の勝利に終わった。だがそれも平和に向かう人類全体の勝利とはとうてい言えなかった。以後イギリスやアメリカは、大戦中に手を結んだ「赤い悪魔」ソ連と半世紀にわたる冷戦を余儀なくされ、その代理戦争として朝鮮やヴェトナムで多くの人々の血が流れることになった。一方、「帝国」覇権の消滅によって中東、アフリカ、アジアで独立の気運が高まり、それにも流血がともなった。冷戦終結後の90年代になっても暴力は止まるところを知らず、バルカン半島やアフリカなどで民族紛争は続いた。20世紀の血なまぐさい特質は21世紀にも負の遺産として持ち越されるのであろうか。それとも東西両陣営が結果的に核の使用を思い止まったように、多少の希望を持ってもよいのだろうか。そのために世界には何が必要なのか。著者ファーガソンは本書の中で、定量的で巨視的な歴史分析と、人の心の中を覗き見る洞察力で、これらの問いに敢然と挑んでいる。いま世界がもっとも注目するヒストリアンの代表作、初の邦訳。

目次

  • 第2部 帝国(承前)(不可能な防衛;平和の愚かしさ)
  • 第3部 殺戮圏(電撃作戦;鏡を覗いて;殺人者と協力者;地獄門)
  • 第4部 汚れた勝利(戦争の浸透作用;崩壊;西欧の没落)
  • 付録 歴史のなかの世界戦争

「BOOKデータベース」 より

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