書誌事項

ナノ・ハイプ狂騒 : アメリカのナノテク戦略

デイヴィッド・M・ベルーベ [著] ; 熊井ひろ美訳

みすず書房, 2009.6

タイトル別名

Nano-hype : the truth behind the nanotechnology buzz

ナノハイプ狂騒 : アメリカのナノテク戦略

ナノハイプ狂騒

タイトル読み

ナノ・ハイプ キョウソウ : アメリカ ノ ナノテク センリャク

大学図書館所蔵 件 / 154

この図書・雑誌をさがす

注記

監訳: 五島綾子

引用文献・注: 下p524-525

内容説明・目次

巻冊次

上 ISBN 9784622074601

内容説明

本書はナノテクノロジー・ブームを焚きつけた大言壮語含みのナノテク評(ナノ・ハイプ)と、その裏にある利害関係者それぞれの事情に光をあてる。上巻では、テクノロジーの夢物語があらゆるメディアで語られるナノ・ハイプの様相を俯瞰する。やがて産・官・学の諸機関もこぞって未来に投資しはじめ、その資金の周りにさらに多くの利害関係者が生まれ、騒ぎを煽る流れが描かれる。ハイプの象徴となったE.ドレクスラー氏をいったん迎え入れた科学界が、のちに彼の処遇に窮する様子は教訓的だ。ハイプは推進派にとっても諸刃の剣なのである。また政府のイニシアティブとそれを可能にしたキーパーソンらの言動を追い、アメリカが国策としてテクノロジーを進めるプロセスが具体的に示される。全2巻。

目次

  • 第1章 誇大表現、誇張、ハイプの狂乱(可変要素としての誇張;誇張とグー;結論)
  • 第2章 ナノテクノロジーに関する憶測と批判(支持者;批判者;結論)
  • 第3章 ナノテクノロジーにおける政府関係者(個人;政府系科学振興団体;行政府;結論)
  • 第4章 ナノテクノロジーにおける政府のイニシアティブ(イニシアティブと情報操作;国際的な関係者;結論)
  • 第5章 ナノテクノロジーを宣伝するための報告書(アメリカ;イギリス;EU(欧州連合);企業関連の利害関係者;結論)
  • 第6章 ナノサイエンスの応用(計器および装置;製造および材料;農業および食物生産;エレクトロニクスおよびコンピューティング;ヘルスケア;エネルギー;贅沢品;結論)
巻冊次

下 ISBN 9784622074618

内容説明

下巻ではまず経済産業界におけるナノテク開発とハイプの様相がとりあげられる。そこではハイプとバブルに向かう傾向と、徹底した現実主義が表裏一体となっている。本書全体のなかで見ると、経済関連メディア発の情報の偏りと目敏さの両方が浮き彫りになる。最終の二章で著者は科学技術の社会的・倫理的影響(SEIN)の研究の意義を訴えつつ、SEINをめぐる産・官・学の関係者それぞれの思惑と事情を率直に明かしている。科学技術と社会が相互作用する領域をユニークな手法で提示し、社会に駆動される先端科学技術の姿を映し出す本書は、21世紀における両者の関係を理解するための必読書となるだろう。日本のナノ・ハイプに詳しい監訳者の解説を巻末に付す。

目次

  • 第7章 ナノ産業およびナノ起業家(ナノテクノロジーの経済;ナノテクノロジーのビジネス;既存の多国籍企業;新興企業およびベンチャーキャピタル;ナノシス新規株式公開の顛末;個人;ナノビジネス・アライアンス)
  • 第8章 非政府組織とナノ(支持派;反対派;結論)
  • 第9章 ナノハザードおよびナノ毒物学(時間枠、および時間枠に応じた倫理的見積り;不安と恐怖;ナノ毒物学への投資;ナノ毒性調査入門;リスク分析;環境上の懸念およびその倫理;結論)
  • 第10章 ナノテクノロジーの社会的および倫理的影響の研究(診断;SEINの定義;象徴としてのSEIN;進行中の研究;SEINの状況;結論)
  • 第11章 ナノ科学技術政策形成における公共圏(呼びかけ;公衆の状況;挑戦;公共圏の定義;科学と公共圏;公衆と対抗的公衆;運動について;実験;問題解決?;結論)

「BOOKデータベース」 より

詳細情報

ページトップへ