書誌事項

ロマン主義 : あるドイツ的な事件

リュディガー・ザフランスキー [著] ; 津山拓也訳

(叢書・ウニベルシタス, 950)

法政大学出版局, 2010.12

タイトル別名

Romantik : eine deutsche Affäre

タイトル読み

ロマン シュギ : アル ドイツテキナ ジケン

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注記

原著 (Carl Hanser Verlag, 2007) の全訳

文献および出典一覧: 巻末p9-30

内容説明・目次

内容説明

神を失った世俗的世界に、ふたたび古代の夢と神秘、無限なるものを甦らせるロマン主義。伝統と創造、革命と反動を同時に内包するイローニッシュなこの運動は、文学的天才たちの共同体を生み出したのち、やがて巨大な廃墟をもたらす民族の政治宗教となった。「遅れてきた国民」の近代200年にわたる思想経験を、ロマン派の来歴と転変から描きだす精神史の白眉。

目次

  • 第1部 ロマン主義(ロマン主義の発端—ヘルダー海へ出る。文化を新たに発明する。個人主義と諸民族の声。時流の中で揺れ動く物事について。;政治的革命から美的革命へ。政治的無力と詩的大胆さ。シラーは人々を偉大な遊戯へと駆り立てる。ロマン派は登場の準備をする。;インク染みの時代。啓蒙主義的な思慮分別からの離別。奇異から奇跡へ。フリードリヒ・シュレーゲルとイロニーの履歴。美しき混沌。批評の独裁者の時代。世界を芸術作品と化す。;フィヒテ、および一個の自我たらんとするロマン主義的な欲望。心の過剰。無からの創造。ロマン派の社交生活。伝説となったイェーナの住居共同体。精神的高揚、そして墜落への不安。;ルートヴィヒ・ティーク。文学工場にて。ウィリアム・ロヴェルの過剰な自我。文学風刺。著述の名人が芸術信仰者ヴァッケンローダーに出会う。夢の実現を追求するふたりの友。月光照らす魔法の夜とデューラーの時代。薄明の中のヴィーナス山。フランツ・シュテルンバルトの遍歴。 ほか)
  • 第2部 ロマン的なるもの(理念の混沌を回顧する。ロマン主義批判者としてのヘーゲル。世界精神の号令と傲慢な主観。ビーダーマイアーと青年ドイツ派。現実的な現実への途上で。暴露競争。天の批判、大地と肉体の発見。ロマン主義的な未来、散文的な現在。シュトラウス。フォイエルバッハ。マルクス。両陣営に挟まれたハイネ。ロマン派への決別とナイチンゲールの擁護。人類解放戦争の兵士、詩人になっただけ。;青年ドイツ派ヴァーグナー。パリのリエンツィ。ドレスデンのロマン主義革命家。初期ロマン派の夢—新しい神話—の実現。ニーベルングの指環。いかにして自由な人間が神々の黄昏をもたらすか。反資本主義と反ユダヤ主義。神話的な体験。トリスタンとロマンティックな夜。象徴的な陶酔。五感への総攻撃。;ニーチェのヴァーグナー評—初の芸術世界周航。時代の非ロマン主義的精神—唯物主義、現実主義、歴史主義。矯正施設。ディオニュソス的なるもののロマン主義。世界言語たる音楽。ニーチェのヴァーグナーからの離反—救済者の救済。大地に忠実であること。ヘラクレイトスとシラーの戯れる宇宙児。イローニッシュな抵抗の終焉。崩壊。;生、生あるのみ。青年運動。生の改善。ランダウアー。神秘主義の侵入。フーゴ・フォン・ホフマンスタール、リルケとシュテファン・ゲオルゲ。ヴィルヘルム二世治下の書割魔術—艦隊建造の「鋼鉄のロマン主義」。一九一四年の理念。戦時下のトーマス・マン。倫理的雰囲気、ファウストめいた香気、十字架、死と墓穴。;魔の山から平地へ。ランゲマルク。両世界間のさすらい人。二つの冒険心—エルンスト・ユンガーとフランツ・ユング。テューリンゲンの流行性舞踏病。東洋への旅立ち。無理をした即物主義。偉大なる瞬間への期待。共和制末期の爆発的な古めかしさ。ハイデガーの政治的ロマン主義。 ほか)

「BOOKデータベース」 より

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