谷崎潤一郎の世界史 : 『陰翳礼讃』と20世紀文化交流
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書誌事項
谷崎潤一郎の世界史 : 『陰翳礼讃』と20世紀文化交流
勉誠出版 (発売), 2023.2 , 勉誠社(製作)
- タイトル別名
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谷崎潤一郎の世界史 : 陰翳礼讃と20世紀文化交流
The world history of Jun'ichirō Tanizaki : "In'ei raisan" and the history of cross-cultural exchange in the 20th century
- タイトル読み
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タニザキ ジュンイチロウ ノ セカイシ : 『インエイ ライサン』ト 20セイキ ブンカ コウリュウ
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注記
その他のタイトルはブックジャケットによる
注: p455-494
内容説明・目次
内容説明
本書は『陰翳礼讃』を読み解きながら、同作と関連する谷崎作品に加えて、さらに谷崎の作品群の背後に広がる言論と歴史を探求する試みである。これから論じていくように、作家の谷崎潤一郎が『陰翳礼讃』に関するイメージを徐々に構想し、最終的に一つの作品として書き上げ、さらに『陰翳礼讃』が翻訳されて外国の読者に届けられるまでの過程をたどっていくと、実はその背後では、日本と、アジア、ヨーロッパ、アメリカなどの世界各国の文化や価値観が複雑に絡み合い、様々な拮抗関係が生じていたことが明らかになる。そこで本書は『陰翳礼讃』を一つの入口として設定し、一九〇四年の日露戦争前後からはじまり、その後の一九二〇年代から一九三〇年代にかけてのジャポニスムやモダニズムの潮流、そして一九四五年の日本国の敗戦からGHQの占領期を経て、さらに一九八〇年代のポストモダンや現代へと至る、二〇世紀文化交流の歴史を描出してみようと考えている。この試みは、日本人作家の谷崎がアジアや欧米諸国の文化と対峙した経験を、今改めて追体験していく道程ともなるだろう。本書のタイトルを『谷崎潤一郎の世界史—『陰翳礼讃』と20世紀文化交流』と名づけた理由は、この点にある。
目次
- 序論
- 第1部 アジア主義からの波動—一九〇〇年代〜一九二〇年代(冒頭をめぐって;アジアをめぐって;中国体験をめぐって;郭沫若と田漢をめぐって)
- 第2部 ジャポニスムからの波動—一九二〇年代〜一九三〇年代(翻訳をめぐって;芥川龍之介をめぐって;建築をめぐって;夏目漱石をめぐって)
- 第3部 『陰翳礼讃』からの波動—一九三〇年代〜一九五〇年代(戦後をめぐって;戦前をめぐって;サイデンステッカーをめぐって;差別をめぐって)
- 結論 一九六〇年代から現代へ
「BOOKデータベース」 より