ウイルスの意味論 : 生命の定義を超えた存在
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ウイルスの意味論 : 生命の定義を超えた存在
みすず書房, 2018.12
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ウイルス ノ イミロン : セイメイ ノ テイギ オ コエタ ソンザイ
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注記
「ウイルスとともに生きる」 (『みすず』みすず書房刊, 59(5)[2017.6]~60(6)[2018.7]に連載) を修正・加筆したもの
内容説明・目次
内容説明
ウイルスとは何者か。その驚くべき生態が明らかになるたびに、この問いの答は書き替えられてきた。ウイルスは、数十億年にわたり生物と共に進化してきた「生命体」でありながら、細胞外ではまったく活動しない「物質」でもある。その多くは弱く、外界ではすぐに感染力を失って“死ぬ”。ただし条件さえ整えば、数万年もの凍結状態に置かれても、体がばらばらになってしまったとしても“復活”する。ウイルスの生と死は、生物のそれとはどこかずれている。一部のウイルスは、たびたび世界的流行を引き起こしてきた。ただしそれは、人類がウイルスを本来の宿主から引き離し、都市という居場所を与えた結果でもある。本来の宿主と共にあるとき、ウイルスは「守護者」にもなりうる。あるものは宿主を献身的に育て上げ、またあるものは宿主に新たな能力を与えている。私たちのDNAにもウイルスの遺伝情報が大量に組み込まれており、一部は生命活動にかかわっている。ウイルスの生態を知れば知るほど、生と死の、生物と無生物の、共生と敵対の境界が曖昧になっていく。読むほどに生物学の根幹にかかわる問に導かれていく一冊。
目次
- 第1章 その奇妙な“生”と“死”
- 第2章 見えないウイルスの痕跡を追う
- 第3章 ウイルスはどこから来たか
- 第4章 ゆらぐ生命の定義
- 第5章 体を捨て、情報として生きる
- 第6章 破壊者は守護者でもある
- 第7章 常識をくつがえしたウイルスたち
- 第8章 水中に広がるウイルスワールド
- 第9章 人間社会から追い出されるウイルスたち
- 第10章 ヒトの体内に潜むウイルスたち
- 第11章 激動の環境を生きるウイルス
「BOOKデータベース」 より