慰安婦問題論
著者
書誌事項
慰安婦問題論
みすず書房, 2022.7
- タイトル別名
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The comfort women : sexual violence and postcolonial memory in Korea and Japan
- タイトル読み
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イアンフ モンダイロン
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注記
原著 (University of Chicago Press, 2008) の全訳
解説: 和田春樹
索引: 巻末p1-6
参考文献: 巻末p7-24
内容説明・目次
内容説明
本書は2008年に、韓国人研究者がシカゴ大学出版から英語で刊行した研究書の待望の日本語版である。刊行当時から現在まで慰安婦問題をめぐる基本構図は変わらない。なぜこれほどまでに、問題はこじれたのか。日本軍の慰安所について、本書はそれを認可業者型、軍専属型、犯罪型に分類し、商業性と犯罪性の濃淡を認めている。公娼か性奴隷かの二元論はこの現実を見てこなかった。そうした論争は問題の核心も看過してきた。それは、慰安婦にされた女性を飲み込んだ女性蔑視・搾取の巨大な濁流、それに日韓双方が国家レベルでも国民レベルでも加担していた事実である。これが本書の問題意識である。「自らの政治的立場を強める目的で文脈を無視して本書の一部を悪用することのないよう、日本内外の右翼および急進的ナショナリストに注意を促しておく」。曲解を招く危険を自覚しつつ、争いの不毛さを指摘した勇気ある書。
目次
- 序 ジェンダー、階級、セクシュアリティ、そして植民地下における労働と帝国主義戦争
- 第1部 ジェンダーと構造的暴力(多様な慰安婦像から定型ストーリーへ;韓国人サバイバーの証言ナラティヴ;歴史としての日本の軍慰安制度)
- 第2部 パブリック・セックスと女性の労働(慰安婦をめぐる戦後/解放後の公的記憶;パブリック・セックスをめぐる個人の記憶;パブリック・セックスと国家)
- おわりに 真実、正義、和解
- 補遺 「在外者人類学」を実践するということ
「BOOKデータベース」 より