書誌事項

生理休暇の誕生

田口亜紗著

(青弓社ライブラリー, 28)

青弓社, 2003.4

タイトル読み

セイリ キュウカ ノ タンジョウ

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注記

修士論文「近代日本における『生理休暇』の誕生 : 明治〜敗戦直後の月経と生理休暇要求の言説史」(成城大学大学院 2002年提出) に加筆・修正したもの

内容説明・目次

内容説明

生理休暇はどのような過程をたどって、日本独自の制度として成立したのか。それまでは不浄のものとされていた月経は、明治期に導入された西欧医学のまなざしによって病理とみなされた。そして近代産業が確立するにつれて月経時の労働が社会問題化すると、母性保護・人道主義・労務管理などの立場からさまざまな言説が出現するなか、女性の身体は社会の権力構造に組み込まれていった。その後、敗戦後の民主化と労働運動の高揚に後押しされて休暇制度として法制化されたが、現在ではその意義が問いなおされている。近代日本に網目状に張られた「身体の医療化」という権力構造とそれに抗する女性たちの「自己拡張」とのせめぎあいをとおして、生理休暇という社会的装置の政治学を解明する。

目次

  • 第1章 なぜ生理休暇なのか
  • 第2章 不浄観念から衛生観念へ—月経の病理化言説の移植
  • 第3章 女学生・女工・職業婦人—近代化にさらされた「新しい女」たちの身体
  • 第4章 生理休暇要求の始まり—月経時の労働の「問題化」
  • 第5章 生理休暇制度の成立—月経の「医療化」に抗して
  • 終章 文化人類学的視点からの展望—生理休暇の言説史からみえてきたこと

「BOOKデータベース」 より

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