竹内好という問い
著者
書誌事項
竹内好という問い
岩波書店, 2005.5
- タイトル別名
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竹内好という問い
- タイトル読み
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タケウチ ヨシミ トイウ トイ
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注記
竹内好略年譜: p317-321
内容説明・目次
内容説明
本書は、『アジアを語ることのジレンマ』(岩波書店、二〇〇二年)によって日本のアジア研究の主体性を鋭く問題化した著者による、一〇年におよぶ竹内好との思想的格闘の記録である。竹内は魯迅から、思想において重要なことは内容それ自体ではなく、それが主体的であるかどうかだということを学んだ。著者によれば、竹内は政治的正しさを引き換えにすることを恐れず、その課題にまっすぐぶつかったのである。間違うことを恐れて常に模倣のためのお手本を求めてきた優等生文化の近代日本においてはいうまでもなく、魯迅を生んだ中国においてさえも、このような思想実践は稀有のことに属する。著者の願いは、魯迅を最も深いところでつかんだ竹内の思想実践を、いま新たにアジアの思想遺産として学び直し、その作業をつうじて普遍的な思考営為への展望を切り開くことにある。
目次
- 第1章 魯迅との出会い(支那学者たちとの論争;『魯迅』の誕生)
- 第2章 文化‐政治の視座(近代をめぐって—世界構造としての文学;民族独立の文化‐政治)
- 第3章 戦争と歴史(歴史的瞬間における「誤った」選択;主体が歴史に分け入る渇望)
- 第4章 絡み合う歴史と現在(敗戦体験の深化—戦争責任論と文明の再建;安保運動—戦争体験の「現在進行形」;内在的否定としての「伝統」)
- 第5章 「近代」を求めて—「近代の超克」座談会の射程(座談会の基本的論郭;竹内好の「近代の超克」;荒正人の「近代の超克」;広松渉の『「近代の超克」論』;西尾幹二の『国民の歴史』)
「BOOKデータベース」 より