陸羯南 : 政治認識と対外論

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陸羯南 : 政治認識と対外論

朴羊信著

岩波書店, 2008.7

タイトル読み

クガ カツナン : セイジ ニンシキ ト タイガイロン

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注記

博士論文「陸羯南の政治認識と対外論 : 公益と経済的膨張」 (北海道大学提出) をもとに雑誌に発表したものをまとめたもの

内容説明・目次

内容説明

明治の指導的政治言論人陸羯南(一八五七‐一九〇七)。その内政論・外政論を相互連関的に捉え、これまで研究が手薄であった対外論に重点を置き、日本が日清・日露の両戦争を通じて対外膨張の方向を明確にしていった時期の激動する政治状況の中で、日本の「国民主義」の始まりと破綻に至るまでの全体を、谷干城、近衛篤麿、徳富蘇峰ら、同時期政治家や言論人と比較しつつ、研究文献と史料を博捜し明らかにする。陸は、国民の公益のために対外的経済膨張を志向し、朝鮮・清国への軍事的領土的拡張には批判的であったが、一九世紀末欧米列強の中国分割をきっかけにした東アジア情勢の流動化の中で、しだいに帝国主義へと傾いていき、ついに対露戦争受け入れとなる。近衛の東亜同文会と一体化しつつ清国・朝鮮に対する介入と植民地化政策を定着させていくに及んで、陸の「自衛的国民主義」は「侵略的国民主義」へと転じ、植民地主義およびアジア主義の思想化の流れを導いていくのだった。

目次

  • 第1章 二つの前提(国内政治像;条約改正反対の論理—羯南のナショナリズムの原型)
  • 第2章 日清戦争と戦後経営批判(日清戦争;日清戦後経営批判と外政)
  • 第3章 東アジア情勢の流動化と「帝国主義」(利益政治と政党批判;清国分割への反応と対清策;近衛篤麿・東亜同文会と「支那保全」;「帝国主義」如何と外資導入問題)
  • 第4章 義和団事件と満州問題(列国協調と「開発」;満州問題をめぐって)

「BOOKデータベース」 より

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