フルトヴェングラー家の人々 : あるドイツ人家族の歴史
著者
書誌事項
フルトヴェングラー家の人々 : あるドイツ人家族の歴史
岩波書店, 2011.5
- タイトル別名
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Die Furtwänglers : Geschichte einer deutschen Familie
- タイトル読み
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フルトヴェングラーケ ノ ヒトビト : アル ドイツジン カゾク ノ レキシ
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注記
参考文献: 巻末p11-15
家系図: 巻末p16-17
内容説明・目次
内容説明
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(一八八六‐一九五四)は、二〇世紀前半を代表する指揮者として、現在でもなお高い人気を誇る。しかし一方で、彼はナチス政権獲得から第二次世界大戦後まで、「政治と芸術」の関係に翻弄される運命を受け入れざるを得なかった。本書は、指揮者の父で著名な考古学者であるアドルフをはじめ、フルトヴェングラー家の人々の多くが、古典的教養を獲得した自由な市民であり、ゲーテとシラーによって構想された「ドイツ教養主義」を体現しようとした点に着目する。そして、カリスマ的指揮者フルトヴェングラーを生んだドイツ教養主義の展開と、その背景となった「市民社会」が、二度の世界大戦によって衰退から滅亡にいたる道筋をたどる、野心的著作である。
目次
- 第1章 「感情の揺れる階梯の上で」—失われた美を求める神経質な学者
- 第2章 「耳を聾する轟音から誇らしげに遠ざかって」—生の索漠たる岸辺に立つ若き市民たちの悩み
- 第3章 「音楽こそ祖国」—ドイツ的教養の聖なる芸術
- 第4章 「彼の芸術からは常に無限の幸福感を生む音が流れ出てくるだろう」—人間を捉える指揮者にして、聴衆のいない作曲家
- 第5章 「私を招き、私に憧れ、引く手あまたの私」—芸術の力の大規模な産業化
- 第6章 「フィルハーモニーの響きは自然の産物」—ウィーンの柔らかな音と北ドイツ的な音色
- 第7章 「我々芸術家は政治に関与すべからず」—権力者に接近はするが、心の内では留保
- 第8章 「協力を楯に抵抗」—市民的なジレンマ、権力なしでは人の言うなりだ
- 第9章 「美も死なねばならない」—すべてイメージ化された商品世界における教養市民の絶望
「BOOKデータベース」 より