反転する福祉国家 : オランダモデルの光と影

Bibliographic Information

反転する福祉国家 : オランダモデルの光と影

水島治郎著

岩波書店, 2012.7

Other Title

反転する福祉国家

Title Transcription

ハンテン スル フクシ コッカ : オランダ モデル ノ ヒカリ ト カゲ

Available at  / 296 libraries

Note

参考文献: p223-237

政権一覧(1982-2012年): 巻末p1-2

オランダ下院議員選挙結果(1981-2010年): 巻末p3

Description and Table of Contents

Description

一九八〇年代、ワークシェアリングを通じて経済危機を脱したとされるオランダは、近年は女性や高齢者、障害者、福祉給付受給者らの就労を促す雇用・福祉改革を進め、国際的な注目を浴びている。ワーク・ライフ・バランスやフレキシキュリティを促進するなどの先駆的な改革は、福祉国家再編や社会的「包摂」の成功例とされている。しかしオランダは同時に、反イスラム感情の高まりとともに「移民排除」と「移民統合(同化)」へと大きく舵を切り、移民・難民政策を転換した。その背後には、大衆的な支持を集める新右翼政党の躍進があった。社会的「包摂」を積極的に推進しているオランダが、移民・外国人の「排除」を進めているのはなぜなのか。一見すれば対極にみえる現象に通底する論理は何なのか。「モデル」(光)と「アンチ・モデル」(影)の交差するオランダ政治を考察し、現代社会の構造的変容を浮き彫りにする。

Table of Contents

  • 第1章 光と影の舞台—オランダ型福祉国家の形成と中間団体(現代政治の歴史的文脈;オランダにおける「保守主義型福祉国家」の成立;中間団体政治の形成と展開)
  • 第2章 オランダモデルの光—新たな雇用・福祉国家モデルの生成(大陸型福祉国家の隘路;福祉国家改革の開始;パートタイム社会オランダ;ポスト近代社会の到来とオランダモデル)
  • 第3章 オランダモデルの影—「不寛容なリベラル」というパラドクス(移民問題とフォルタイン;フォルタイン党の躍進とフォルタイン殺害;バルケネンデ政権と政策転換;ファン・ゴッホ殺害事件—テオ・ファン・ゴッホとヒルシ・アリ;ウィルデルス自由党の躍進)
  • 第4章 光と影の交差—反転する福祉国家(福祉国家改革と移民;脱工業社会における言語・文化とシティズンシップ)

by "BOOK database"

Details

Page Top