国家と犠牲
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書誌事項
国家と犠牲
(NHKブックス, 1036)
日本放送出版協会, 2005.8
- タイトル読み
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コッカ ト ギセイ
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注記
引用・参考文献: p235-236
内容説明・目次
内容説明
戦没者を「尊い犠牲」として顕彰することで、悲惨な実態を覆い隠し、国民を新たな戦争に向けて鼓舞する。これこそが、国家の本質に関わる重要な課題ではないか。近代西欧の思想書・歴史書から自衛隊のイラク派兵問題、そして靖国問題まで、様々な言説に共通する国民動員の巧妙なレトリックを分析し、“犠牲=サクリファイスの論理”を乗り越える方途をさぐる。この国の現状を批判的に検証する試みであると同時に、犀利な思考に基づいた、野心的な国家論でもある。
目次
- 1 「犠牲」の論理とレトリック(靖国と「ホロコースト」—何のための「尊い犠牲」か;「英霊」顕彰の過去・現在・未来;ヒロシマ・ナガサキと「尊い犠牲」—抹消される責任への問い;「戦死者の大祭典を!」—国民動員のレトリック)
- 2 国民・犠牲・宗教—「祖国のために死ぬこと」の歴史(犠牲に結ばれた「国民」—フィヒテとルナン;哀悼と忘却の共同体;神話化される戦争体験—近代ヨーロッパの「英霊」顕彰;〈真の犠牲〉から〈堕落した犠牲〉へ—カントロヴィッチの場合;英霊の血とキリストの血—「殉国即殉教」という論理)
- 3 「犠牲の論理」は超えられるか(「正戦」と犠牲—ウォルツァーの場合;抵抗と顕彰—韓国の英霊;デリダと「絶対的犠牲」)
「BOOKデータベース」 より